5月5日はこどもの日でしたが、皆さんはどう過ごされましたか?
「端午の節句(たんごのせっく)」でもあるこの日は、もともと男の子の健やかな成長や幸せを祈ってお祝いをする、いわば男の子のための日だったそう。
1948年に国によって祝日と定められ、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ための「こどもの日」となったそうです。
何はともあれ、お子さんの健やかな成長や幸せを願い、様々な行事やイベントに参加された方もいらっしゃると思います。
さて、子どもたちの健やかな成長に深く関わっているのが、口腔機能です。
口腔機能とは、簡単に言うと
食べる
話す
呼吸
この3つの、口が大きく関わるとても大事な機能のことです。
しかし、これらの口腔機能の獲得にやや遅れが見られる場合、どうなるでしょうか?
これらの機能の発達が不十分である状態を“口腔機能発達不全症”といいます。
“口腔機能発達不全症”は、大きく“食べる”機能不全、“話す”機能不全、“呼吸”機能不全の3つに分けられます。
“食べる”機能不全
食べ物を認識して、口に運び、噛み、舌で丸めて飲み込むという一連の流れが何らかの原因により、スムーズに行うことができていない状態です。
例として、歯列不正(出っ歯、受け口、ガタガタに生えている)や大きな虫歯があったり、食事中によく食べこぼしたり、クチャクチャと音をたてて食べている、噛まずにほとんど丸飲みしている、など。
“話す”機能不全
話す機能の中でも、正しい音を出す機能は、一般的には5〜6歳頃に完成すると言われています。カ・サ・タ・ナ・ラの各行の音が正しく発音できていない(たとえば、サカナがタカナになる)場合は、歯科、耳鼻科、両方の目線で原因の捜査と支援が必要かもしれません。
“呼吸”機能不全
鼻呼吸は、身体にとって最も適切な呼吸方法とされています。吸った息が鼻腔を通ることで、湿り気のある暖かい空気が肺に届けられます。
一方で、吸う息が口を通る“口呼吸”には、歯科的に好ましくない影響が多く生じます。かみ合わせの異常や、虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、骨格や表情といった、お顔立ちにも影響を与えることがあります。
もしこれらの症状が見られる、気になることがあれば、早めに歯科医院にご相談ください。
幼少期からの生活指導やトレーニングで改善していくことが大切です。
全身の健康はもちろん、将来の生活・人生にも影響を与えると言っても決して過言ではない子どもたちの口腔機能を、一緒に守っていきましょう。